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平成29年度 原爆死没者追悼式

広島大学原爆死没者追悼式 追悼の辞 (2017.8.6)

 きょう、72回目の「原爆の日」が巡ってまいりました。
 ご遗族、同窓会代表をはじめとする関係者、教职员并びに在学生代表の皆さまのご出席をいただきまして、「広岛大学原爆死没者追悼式」を挙行するにあたり、犠牲となられた方々の御霊に、谨んで哀悼の诚をささげます。
 併せて、平成23年3月11日に発生した东日本大震灾?福岛原発事故、平成26年8月20日に発生した広岛市土砂灾害によって尊い命を夺われた皆さま方、また、ご家族の皆さまに心からお悔やみを申し上げますとともに、いまだ不自由な生活を余仪なくされている方々にお见舞い申し上げます。

 昭和20年8月6日、広岛の街は原爆により焦土と化しました。爆心地から1~4キロメートルの市街地にあった広岛大学の前身诸学校の多くも壊灭的な被害を受け、数多くの学生?生徒や教职员、そして南方留学生の方々が犠牲になりました。
 あの日から70年以上を経て昨年、あらためて広岛は世界の注目を集めました。米国の大统领として初めてバラク?オバマ氏が広岛市の平和记念公园で献花を行い、核なき世界に向けてのメッセージを発信されたことはご承知の通りです。そして今年7月7日には、核兵器の开発や使用、保有などを初めて法的に禁止する核兵器禁止条约が、国连本部での条约交渉会议で122の国と地域の賛成で採択されました。残念ながら米国をはじめとする核保有国や我が国を取り巻く安全保障上の観点からか日本は参加しませんでしたが、被爆者の皆様をはじめ多くの方々の愿いを実现する一歩であったと思います。

 私は、学长に就任して以来、「平和を希求し、チャレンジする国际的教养人」の育成を心掛けてまいりました。纷争やテロが频発する现代にあって、まさしく「自由で平和な一つの大学」を建学の精神に掲げる本学の责务であり、広岛大学同窓生は、一人一人がリーダーシップをとり、世界平和に向けてことにあたってほしいと愿っています。また、本年4月に新しい长期ビジョンを策定し、新たな平和科学の理念を「持続可能な発展を导く科学」とし、多様性をはぐくむ自由で平和な国际社会の実现を目指すことを、内外に表明いたしました。

 かつて広岛文理科大学、広岛高等师范学校が置かれ、また広岛大学开学の地であるここ东千田キャンパスに、社会人も含めた学生が集う「东千田未来创生センター」がオープンして一年余りになります。本日は追悼式に引き続きまして、条约交渉を支えてこられた国际连合事务次长(军缩担当上级代表)の中満泉(なかみつ?いずみ)様による讲演会、さらには平和を祈念する鳩のオブジェの除幕式を、东千田未来创生センターで行います。学长として诚に感慨深いものがあります。
 今年、原爆死没者慰霊碑に22柱の方々を新たにお祀りすることとなりました。昨年までの方々と合わせて、1,952柱の御霊の安らかならんことを愿い、また、ご遗族の皆様のご多幸を心より愿っております。

 教育、研究、社会贡献を通して平和な人类社会を筑いていくために教职员?学生?同窓生一同、いっそう努力してまいることをお誓い申し上げ、追悼の言叶といたします。

平成29(2017)年8月6日
広岛大学长 越智光夫
 


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