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は,2021年9月11日(土)に,第90回定例オンラインセミナー「政治的中立性をめぐる日本の教師(1) 日本の学校で論争問題を扱うには? ―ヘス『教室における政治的中立性』を踏まえてー」を開催しました。大学院生や大学教員を中心に54名の皆様にご参加いただきました。
「政治的中立性をめぐる日本の教师」シリーズは、日本の民主主义教育の実现のために「论争问题学习」に注目しています。本シリーズは、(1)日本の教师は、「政治的中立性」や「论争问题学习」をどのように捉えているのか、(2)(1)の结果を踏まえると、今后どのような教师教育や専门性开発が求められるか、について考察を深めていきます。なお、本シリーズは、科学研究费冲若手「社会科教师は论争问题をどのように捉えているか―「政治的中立性」との関係から」(研究代表者:川口広美)の研究公表の一环として実施されるものです。
シリーズ第1回となる本セミナーは、论争问题学习を行いたいと考えている教员志望者が、「より民主的で政治的な空间の中で论争问题学习を进める上での课题とは何か?促进していくには何が必要か?」について议论を深めることを目的としました。
本セミナーでは、充実した議論を行うため、課題図書としてHess、 D. (2009) Controversy in the classroom(日本语版:『教室における政治的中立性』、2021)を取り上げ、考えをまとめてきたうえ、4つのグループに別れて議論を深めるという形式で行われました。なお、各グループのファシリテート、広島大学?愛媛大学の学生?院生が務めました。広島大学からは,玉井氏(D1)?田中氏(M1)?野瀬氏(M1)?吉田氏(M1)がファシリテーターとして参加されました。また愛媛大学からは,矢野氏(M2)?沖村氏(M2)?峰山氏(M2)?木下氏(B4)がファシリテーターとして参加されました。

主旨説明をする川口広美准教授(広岛大学)

主旨説明?司会をする井上昌善氏(爱媛大学)
はじめに、司会の(広岛大学)、井上昌善氏(爱媛大学)より、本セミナーの趣旨が説明されました。论争问题学习の定义や重要性、学校教育で行うことの意味がセミナーの参加者全体で确认されました。さらに、①将来の教师、②従来型の教育の受け手、③学校の内と外の世界の媒介者としての教员志望学生の位置づけが示され、讨论者としての教员志望学生、それを见つめる観覧者としての教师教育者という场を设定した意味や意図が説明されました。
上记の本セミナーの趣旨を踏まえ、第1セッション「自分が考える论争问题学习とは?」が行われました。第1セッションでは、アイスブレークの后、书籍の内容を踏まえ、①论争问题学习に取り组みながらも异なる目的をとる3名の教师の中で谁に最も共感するか、②どのような种类の问题を取り扱うことが重要であるか、について検讨しました。セッションでは、议论のスキルや批判的思考を高めるという目的の重要性はあるが、まずは意见の多様性や异质な意见に触れる机会を充実させる必要があるのではないか。また、议论をどのように评価するかで,议论の目的やトピックは変わりうることなどが论点として上がっていました。

ファシリテーターの玉井氏(広岛大学院生)

ファシリテーターの田中氏(広岛大学院生)

ファシリテーターの野瀬氏(広岛大学院生)

ファシリテーターの吉田氏(広岛大学院生)
続いて、第2セッションが「日本で论争问题学习を行う际の课题は?どのように进めたらよいか?」と题して行われました。第2セッションでは、第1セッションと比べても活発な意见交换が见られ、论争问题学习を実践するのにあたり、保护者や管理职からの理解が得られるのか。子どものニーズと教师のさせたいことのミスマッチが起こるのではないか。子どもの议论をマネジメントすることへの不安、などついて悬念が出されました。また、そうした课题を乗り越えるためには、教材研究の支援、议论のファシリテートに関する教授技术、子どもや保护者への説明やそのための环境整备をより充実させることの重要性に议论は発展しました。

ファシリテーターの矢野氏(爱媛大学教职大学院生)

ファシリテーターの冲村氏(爱媛大学教职大学院生)

ファシリテーターの峰山氏(爱媛大学教职大学院生)

ファシリテーターの木下氏(爱媛大学学部生)
以上2つのセッションの后、観覧者から质问や意见が多数寄せられました。具体的には「学校文化として教师の意図に沿わない意见に対して、ネガティブな评価を付けがちなことへの悩み」「论争问题を议论する力を育成するには时间がかかり、学校文化との兼ね合いも大きく难易度が高い」といった现职教员としての悩みや葛藤、「子どもの関心がある/ない话题にどう取り组んだらいいか」というものがありました。こうした意见?质问に対して活発な意见交换が行われました。

コメンテーターの渡部竜也氏(东京学芸大学)

コメンテーターの草原和博教授(広岛大学)
最後に総括として、コメンテーターの渡部竜也氏(东京学芸大学)からは、今回の課題図書の翻訳に至った経緯や意図の説明が行われました。「中立」は教師が意見を言わないこととする日本の学校教育の前提に疑問があったこと。論争問題を議論することから忌避する傾向への反発が、研究の原点にあったことなどが示されました。次に、(広岛大学)からは、日本において论争问题学习の位置づけが変化してきた时代背景についての説明の后に、キーワードでもある“罢颈辫”について、取り上げるトピックそのものの性质だけでなく、教师の侧の判断基準も问われていること。また、教えるべき内容や论点を选択する教师の行為そのものが政治的であり、その点を自覚することの必要性について问题提起がありました。
今后も贰痴搁滨では「平和?市民性教育」ユニットを中心に、「政治的中立性をめぐる日本の教师」について引き続き検讨してまいります。
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広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室