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は,2021年12月18日(土)に,第103回定例オンラインセミナー「ポストコロナ第3フェーズ第3回「子どもたちの「声」を聴こう」」を开催しました。大学教员や大学院生を中心に49名の皆様にご参加いただきました。
「ポストコロナ第3フェーズ」シリーズは,「「コロナ」から学校教育をリデザインする学术知共创の可能性と课题」と称する共同研究プロジェクトの一环で开催される连続セミナーです。今年度は,「コロナと教育」に関する国内外の文献调査および「コロナと教育」に関する大规模アンケート调査等を実施するとともに,教育学以外の分野とも连携することで学术知を共创し,その成果を6月?9月?12月?3月の计4回のセミナーで报告してまいります。

司会进行の先生(広岛大学)

本セミナーの趣旨を説明する叁时先生
シリーズ第3回となる本セミナーでは,コロナ祸において子どもたちがどのように感じているのかについて、実际に小学生、中学生、高校生たちに行ったインタビュー动画の供覧と、それに対する教育学と心理学の立场からのコメント、およびブレークアウトセッションを利用したセミナーの参加者同士での议论?意见交换が行われました。
はじめに,先生(広岛大学)より,本セミナーの趣旨が説明されました。コロナ禍の学校教育実践を通してこれからの学校教育をリデザインするフェーズとして、これまでは現場の教員などの声や実践を見てきた一方で、当事者である子どもたちの声を聴く機会がなかったことを課題とし、子どもの「声」を聴くことでリデザインを考える場として本セミナーが位置付いていることが述べられました。具体的には、私たち大人にとっては非日常だと感じる状況を日常として生きている子どもの実態、つまり様々な社会的緊張や制限を強いられているように見える子どもたちの日常生活を、子どもたちはどのように生き抜いているのか、どのように楽しんでいるのかという私たち大人の問いかけに、子どもたちがどう答えたのかを自由に感じ、考えていきたいということがセミナーの参加者全体で確認されました。
次に,3本のインタビュー动画の供覧が行われました。动画はそれぞれ小学生、中学生、高校生各2名を対象に、约1时间ずつ行われたインタビューを各10分程度に编集したもので、コロナ前后で学校での様子や学校がない休日の様子がどのように変化したか、どう感じているかということに加え、コロナが无かったら、あるいは终わったら何をしたいのかについて、子どもたち个人の様々な「声」を聴くことができました。例えば、小学生へのインタビューでは学校では友达とお喋りができずつまらないという思い、中学生へのインタビューでは家にいてもオンラインでずっと繋がっていて话ができお互いをより深く知ることができたという経験、高校生へのインタビューではコロナがあったからこそ人とのつながりが大事だと感じられたという気持ちなどが语られていました。

教育学の立场からコメントを行う子安先生

心理学の立场からコメントを行う金山先生
次に,子安润先生(中部大学)から「教育学の立场から」としてコメントが行われました。まず、子どもの生活や保护者の见る子どもの様子に関する调査研究の绍介がなされ、子どもの家での过ごし方は家庭によって异なるものではあるものの、総じてコロナ祸で子どもの生活はストレスの高いものになっているという情报が共有されました。次に、学校においては孤立的な学びの増加で子どもたち同士の関係が深まらず、オンライン上でのコミュニケーションは他者の反応が限られるために误解が増えて子どもの関係が険悪になりやすい一方で、オンライン上で长く繋がっていることは见方を変えるとそれ以外の人々との繋がりが切れた状态とも捉えられると述べられました。さらに、オンライン上の活动においては、リアルの场合と异なって、谁にどんなコメントをしたのかがログとしてずっと残ることで事态が大きくなってしまう危険性があることが指摘されました。最后に、ブレークアウトセッションに向けて、このようなコロナ祸での子どもの生活に生じる制约をどこでどのようにカバーするのか、あるいはカバーできずに残るものは何かという论点が提示されました。
次に,金山元春先生(天理大学)から「心理学の立场から」としてコメントが行われました。まず、インタビュー动画での「声」は个别の状况であり、子どもたちそれぞれのものという意味と、语り手(子どもたち)と聴き手(インタビュアー)との相互作用で生まれたものという意味の2つの个别性があることが指摘されました。そして、子どもの姿は私たち大人とは切り离されたものとして理解されがちであるが、実际にはその子どもと関わる自分との相互作用として、あるいはこちらの子どもへの関わりの反映として现れるものであることが解説されました。次に、そうでありながらも発达心理学の知见における一般的な倾向も见受けられるとして、ギャンググループ、チャムグループ、ピアグループという概念を用いながら小中高生それぞれのインタビュー内容について分析がなされました。ブレークアウトセッションに向けては、学校から帰れば同调圧力から解放されたかつての子どもとは异なって、厂狈厂以后の今の子どもは24时间365日気を使わなければならない生活を続けているのではないかという金山先生の疑问から、个人の时间と他者と繋がっている时间とのバランスはどうなっているのか,という论点が提示されました。
次に,ブレークアウトセッションに分かれて参加者间での议论が行われました。参加者は各グループに4,5人振り分けられ、20分程度の枠内で、子安先生?金山先生より提示された论点を中心に意见交换が行われました。各グループで司会と报告者を决め、円滑に充実した议论が进められました。
その后,メインルームでブレークアウトセッションの报告が行われました。人间関係や环境上の様々な制约がある中で、子どもはオンラインツールを使ってコミュニケーションを取ろうとするなどして大人の配虑に関係なくたくましく生きており、そのあり方に大人が励まされていると子どもの「声」を肯定的に捉える意见が寄せられました。一方で,制约を补うツールである子どものインターネットの利用をどのように指导するのかという意见や、子どものあり方は家庭の状况の写し镜となっているのではないか、大人?教师の目の届かない场所に子どもたちが避难所を设けていることを许容する必要もあるのではないかという意见が出されました。各グループの报告を通して、「子どもが语りたいことではなく、大人が聴きたいこと」の答えとしての子どもの「声」に対し、私たち大人がどう向き合うのかについて考えていくべきことが了解されました。
次に,子安润先生?金山元春先生からブレークアウトセッションの报告を踏まえ,改めてコメントが行われました。子安先生からは、コロナ祸での生活の「ひずみ」に直面した子どもの「声」から正と负の両面を捉えることと、「ひずみ」の中で困难を抱えた子ども一人ひとりの「个の问题」に応えることの重要性が述べられました。金山先生からは、今の子どもの姿は、それを见ている人自身が见ている姿であり、同じものを见たとしても、映る姿は见る人によって様々で异なることが再度强调されました。

ブレークアウトセッションの成果报告を闻く先生方

最后に川合先生よりまとめのコメントをいただきました
最后に,先生(広岛大学)から終わりの言葉として,インタビューの内容、子安先生?金山先生のコメントおよび参加者の議論から、子どものたくましさや柔軟さが感じられた一方で、様々な個別具体的な問題が山積していることの両面がうかがえたことを振り返りました。また,これまでの概念が通用しない今の状況を理解し、課題解決に取り組むには、私たちが時代の変化に追いつき、見通しを持っていくことが大事とまとめられました。
今后も贰痴搁滨では,学校教育のリデザインから教育そのもののあり方を検讨することをテーマに検讨してまいります。
当日の様子はをご覧ください。
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広島大学教育ヴィジョン研究センター(EVRI) 事務室