「がんばった自分に、いつか感谢する时がくる」

台湾では、きびしい夏の暑さをどう乗り切るのですか。
日本と同様、台湾でもアイスやかき氷など冷たい物が人気です。日本には自動販売機が多いですけど、台湾では街を歩くとあちこちにタピオカミルクティーやお茶などの飲み物を売るお店があります。コンビニにいくと、どら焼きにアイスをはさんだようなスイーツも売っています。それに、台湾のかき氷は絶品なんですよ! 日本だと削った氷の上に甘いシロップをかけるでしょう。台湾ではタピオカやナタデココ、緑豆といったトッピングの種類がとても豊富で、その中から好きな4種類を選んで注文すると日本円で120円くらい。安いでしょう?
ちなみに、台湾でも屋内はエアコンが効いていますからけっこう凉しいです。以前、北海道の友だちが台湾にいた时など、部屋ではずっと薄手のジャケットを着ていたくらいです。それに台湾にも冬はありますし、雪も降りますよ。高い山にだけですけどね。&苍产蝉辫;
ふるさとは、どんなところですか。
南の高雄です。小学5年生の时に台北に移り、以来、広岛に来るまでずっと台北に住んでいました。
日本を代表する風景といえば、多くの方が富士山を挙げますね。一方、小さな台湾にはたくさんの特別な風景があります。例えば、玉山(台湾の最高峰。富士山よりも高い。日本統治時代には新高山と呼ばれた)、阿里山(日の出が有名な山。檜の産地)、日月潭(台湾で最も大きな湖)、太魯閣(東部の断崖絶壁の奇勝)や、賑やかな夜市(夜店)、それに、なんといっても台湾の優しい人々! これら多くのもので台湾のイメージは構成されています。
夜市というのは、日本の夏祭りのようにたくさんの食べ物屋台が集まったところで、毎日営业しています。だいたい夕方4时か5时に开店して、夜中の1时くらいまでやっています。臭豆腐の屋台も人気です。日本の人は匂いがきつくて敬远するかもしれませんが、ぜひ试してみてください。おいしいですよ。

日本に留学を决めたのはなぜですか。
私は台湾の大学で4年間日本语を専攻したのですが、やはり実際に日本に来て日本の生活を体験し、テキストからは学べないことを幅広く学びたいと思いました。それで、卒業後も3年間ほどは台湾の観光産業で働きながら勉強を続け、日本の留学試験を受けていました。3回目のチャレンジでみごと合格し、去年の4月から日本に来ることができました。
そもそも日本に興味をもったのは、沖縄に人生初の海外旅行に行った時のことです。沖縄の天候はすごく台湾と似ていますが、沖縄の人が話すのは日本语。それが面白いなと思いました。それに、小さい頃から見ていた日本のアニメの影響も大きかったですね。
台湾ではどんな仕事をしていたのですか。
添乗員と営業です。添乗員としての仕事は台湾人観光客を海外へ連れて行くことでした。行先はタイやマレーシアなどの東南アジアでしたから、仕事中は主に英語や中国語ばかりで日本语を使う機会がほとんどありませんでした。それで、いずれ日本へ留学することも視野に入れ、日本语をもっと活かしたいと思い、日本人向けの旅行会社に転職しました。台湾に来る日本人観光客を案内する仕事です。日本のお客様は礼儀正しくて優しい方ばかりでした。そこで出会って親しくなったお客様とは、今でも連絡を取りあっています。
日本に留学が决まって、その方々も喜んでくださったのでは。
はい。今も亲しくしているお客様の中には85歳の女性の方もいて、よく手纸のやりとりをしているんですが、私が3月に东京に行った时などはその方のご自宅に泊まらせていただいたんです。その方のお宅は神奈川県ですが、実はそこから、小さい小さい富士山が见えるんですよ!
それは素敌ですね。ところで、日本に来てホームシックにはなりませんでしたか。
それは大丈夫。日本の生活にもすぐに惯れましたし。私は寮に住んでいるんですが、外国人留学生はもちろん、日本人の学部生の子もいっぱいいて、みんなとはすぐに仲良くなって一绪に料理を作ったりしていました。
専攻について教えてください。
専攻は観光です。具体的には観光学、人文地理学などの基础知识を学んでいて、私は観光振兴やまちづくりにも関心があるので、地域振兴に関することも勉强しています。その他にも、地域调査の授业や先辈の调査を手伝いながら、さまざまな地域(しまなみ海道、兵库県豊冈市、山阴海岸ジオパークなど)へ行って、観光客へのアンケート调査や住民の闻き取り调査をおこない、そこでアンケートやインタビューのテクニックも学びました。これらの活动により、それぞれの地域についてより一层深く认识することができますし、たいへん有意义で兴味深い分野です。今の専攻はとても好きです。
広大の授业を受けた印象は?
そうですね、日本の授业时间は台湾(50分授业の后に休憩が10分)と比べて长いので、効率が良いぶん、集中力を保つのが大変ですね。
それに、私たち総合科学研究科惭1の学生にはコア科目、つまり必ず取らなくてはならない科目があって、各6~7人ぐらいのグループに分かれて协力してレポートを作らなくてはなりません。私たちのグループは台湾人の私の他に中国人学生2人、日本人学生3人という构成ですが、日本人学生たちは详细なことについて热心に议论をすることが多いですね。このあいだ一绪にパワーポイント资料の修正をしていた时も、日本の学生たちは前日の授业の细かな内容について延々と讨论していて、私たち留学生たちは、ちょっとついていけなくて。日本人学生と私たちは、今何をやるべきか、といった优先顺位の感覚が违っているなと思いました。
その授業はディスカッションが多く、いつも同じメンバーで勉強していることもあって、意見の違いから討論になることもありますが、最終的にはお互い理解しあえるようにつとめます。そうすれば大丈夫。もちろん討論するばかりでなく、お互い良い所をほめあったりもしますよ(笑)。資料を作ったらプレゼンもやります。発表は日本语ですが、英語しかわからない方には英語を使用します。

日本人学生と学ぶ机会が多いのですか。
いいえ、私のゼミ室には日本人は少ないです。とくに昨年度は先生もドイツ人で、学生も韩国、ナイジェリア、ベトナム、中国、台湾と留学生ばかりでした。今年の4月からやっと1人日本人学生が仲间入りしたんですが、彼女は留学経験も豊富でプレゼンもとてもレベルが高くて、私も良い意味で刺激をもらっています。
现在の勉强を将来にどう活かしたいですか。
この留学を终えて台湾に戻ったら、観光产业で働きたいなと思っています。できれば観光局のようなところが希望です。
许さんは広岛大学台湾留学生会の会长なのですね。
はい。会员は约15人ですが、うち一人はすでに教育学部の先生になっています。主な活动としては、この4月にはいつもお世话になっている社长さんに连れられて锦帯桥へお花见にも行きましたし、今年は新しいメンバーが3人加入したので歓迎会もやりました。他にもライオンズクラブの活动に参加したり、地元の歩く会(ウォーキングのイベント)、それに地元の新闻社の方と一绪に山登りとバーベキューも。この间のゆかたまつりにも参加しました。
イベントの他にも、生活面でお互いに支えあっています。たとえば新入生が来るという情报は広大との提携校、つまり台湾の场合は台湾国立中央大学や国立政治大学などですね、そういった大学の先辈たちが「今度私の后辈がそちらへ行くよ!」と绍介してくれて、绍介された学生は贵补肠别产辞辞办の秘密のグループに登録してそこで情报交换をするんです。
しかし提携校に先辈がいない学生の场合は见つかりにくいですね。たとえば今年の5月にも、私の中国人の友だちが、英语の授业を彼女と一绪に受けている台湾の学生をひとり见つけてくれたんですよ。その学生は、台湾留学生会の存在をそれまでまったく知らなくて。あともう1人、霞キャンパスの歯学部の学生で、私たちの存在を偶然贵补肠别产辞辞办で见つけて连络をしてくれた子もいました。そんなふうに后から発见されるメンバーもいます。メンバー同士の情报交换は主に尝滨狈贰や贵补肠别产辞辞办の秘密のグループでおこなっています。

そうやって连络を密にとれるのは心强いですね。
そうですね。でも、ある贬鲍厂础(広岛大学短期交换留学プログラム)の学生などは、一年间は絶対台湾へ戻らない!と决心していたのにホームシックになってしまって。それで一时帰国して、台湾でエネルギーを补充してから(笑)広岛に戻ってきてくれたんですよ。台湾と日本は近いので、いつでも帰れますから。
我慢しすぎないことも大切ですね。ところで、オフの日には何をしていますか。
友だちと游んだり、旅行とかですね。东京や北海道、冲縄の他に松山温泉や、城崎温泉にも行きました。城崎温泉の楽しみといえば「外汤」ですから、宿に温泉があってもゆかたを着て外へ出かけるのがいいですよね。私はああいった「温泉郷」の雰囲気が大好きなんです。
留学を考えている后辈へのアドバイスをお愿いします。
広島の人々はとても親切で、留学生にも優しいです。たとえば広島県留学生活躍支援センターでは、広島県の留学生たちをサポートしてくれ、就職のためのセミナーなども主催しています。広島県はとても留学生受け入れに力を入れていると思います。そんな環境ですから、ぜひ広島に来てほしいなと思います。留学前の準備としては、できれば日本语をある程度は勉強してきてほしいです。
台湾から持ち込んだほうが良い物は?
それは人それぞれですね。私の场合は、台湾の调味料をたくさん持ち込みました。醤油膏(ジャンヨウガオ)、沙茶醤(サーチャージャン)、甜辣醤(テンラージャン)といった日本では入手しにくい调味料とかね。
観光产业で活跃したいという希望の他に、将来の梦はありますか。
あります!じつは、日本にいる3年间で、国内の47都道府県すべてを访れたいと思っているんです。さっそく来月(8月)7日には琵琶湖の花火大会に行きますから、これで滋贺県は制覇ですよね(笑)。そんなふうに、各県一か所ずつでもいいから、全ての県を见て回りたいんです。
これまでの恩师の言叶で、心に残っている言叶はありますか。
「现在の自分に优しすぎると、将来の自分に残酷だ。」がんばった自分に、いつか感谢する时がくる。だから、いま努力することが大切なんだよ、という意味です。
厳しくて、しかも爱情にあふれた言叶ですね!最后に何かコメントがあればお愿いします。
私が日本に来たときにはあまりカルチャーショックを感じませんでしたが、中には日本で寂しさを感じる留学生もいます。でもそれもまた、青春の过程の一部なんだと思います。その状况を乗り越えて自分の仲间を见つけ、がんばり続けることができれば、いつかその辛かった経験に感谢する日が来ると思います。
留学生活はその人にとってかけがえのない大切な时间ですが、悲しさ、寂しさも自分で乗り越えなくてはなりません。そのすべてを吸収して、将来の自分への粮にできるように、みんなと一绪にがんばっていきたいなと思います。

Photo Gallery

台湾のお土产を持って、小田原市に住む85歳のお友达に会いに行きました。富士山の见える素敌なお宅に二泊しました。

锦帯桥(岩国市)でお花见。桜綺丽すぎる!

ホタルを见るために、志和堀(东広岛市)の古民家で一泊しました。

鸟取県に巡検に行った时の写真。鸟取砂丘で动感ショット!