懐かしい人に会いました。落ち着いた话しぶりに惊かされました。
以前は「こいつ(失礼!)、口から先に生まれてきたに违いない」と确信するほど弁が立ち、次々と话题を振って非常に兴味深いアイデアを并べていき、今からバナナのたたき売りでも始まるのではと思わせる势いに圧倒させられることがしばしばだったのです。
この落ち着きは何かあるのかと讶っていると、「余计なことを、というか、人の批判をしないことにしている、というか、その癖を出さない、いや、直そうとしている。これまでは间违いがあると気になって指摘してしまう。そうすると感情的に高ぶって、お互い言わなくてもいいことまで言ってしまい、敌をつくる。无駄に敌を増やして良いわけがない。どんな业界もそんなに広いわけではないし、人と人とが思いも寄らないところでつながっていることもあるし???」ということだそうです。
「ベンジャミン?フランクリンみたいだね。玲瓏玉のような人格を目指すんだ。」「自分との戦いは自分しか胜てないから、勇気と元気を涨らせて乗りきってね。」と言叶をかけたところ、微笑みを浮かべていました。
自分自身との戦いは四六时中常に自分が眼前におり逃げることができません。戦い打ち胜つか、諦めてしまうか、のいずれかです。フランクリンは、自分で気づいたり他人から指摘を受けた自分の弱点、短所や欠点を书き上げて毎日そのメモを见ながら、欠点を出さないようにと心がけ、一日の终わりには、その日を振り返って、出てしまった欠点のところにはチェックを书き添えていくことを続けたそうです。振り返りによって、どのような场面で自分の一番悪い欠点が出てしまうのかをつかんで、日常において具体に自分の性格を正したのです。
フランクリンは、その头のよさ、正义感と情热から黙っていられなかったため、人の批判をしないこと、言叶だけでなく実行に移すことの2点を特に戒めていたそうです。「ほとんどの人间は、???自分がすべての真実を所有していると考えており、他の人间が自分と违っていればいつでも、断然そちらのほうが误りだと考える」との彼の言叶は欠点克服にチャレンジする経験から得られた智恵であり、これを出発点とし、自分の目标を是非とも実现したいという意欲によって、自分に打ち胜ったのではないかと思います。
実行しなければ何もそこにはない、もちろん成功も失败もありませんから、学ぶこともありません。チャレンジすれば成功することもあり、失败することもあるでしょう。うまくことが进んで歓喜する瞬间もあれば、壁に突き当たって苦しみや悔しさを味わう时もあります。そうした経験を积み重ねることによって贤くなっていくのではないでしょうか。
学びには自分の経験をいかに振り返るかが大事でしょう。フランクリンの言叶のように、事実に対する评価では自分に都合のよいように考えるバイアスがかかりやすいにもかかわらず、それに気付かないことが多いために、「成功が自らの资质や才能等の成果で、失败が外的要因の结果による」と见なして、学びの机会を逃してしまいます。克服による成长が得られず、それゆえ、(过信はあっても)ピンチをチャンスに変える力のある自信を持つには至らないと思います。
本研究科では、プロフェッショナル性を获得できるように、反省の技法として振り返りを指导しています。法曹になりたいという目标を持って日々の学修をブラッシュアップさせる法科大学院での勉学の期间は、振り返りによって失败を见つけ、その失败からどう学ぶべきなのか、その学びから工夫をし成果を出すことで自信をつけていくことも必要だと思います。日々の振り返り方を学べば、失败からいかに多くを学ぶことができるかを実感でき、自らを鼓舞して元気を出して自分に打ち胜っていくことができます。フランクリンの道を歩む彼が浮かべた微笑みも、その自信と経験に里付けられたものでしょう。
むしろ、最近、苦心惨憺することが嫌あるいは格好悪いので、できそうにもないことには挑戦しないという现状安住型の思考が気になります。チャレンジを呼びかけても、その先に起こることをいかに乗り越えるのか、その术を体得させるアフターケアまで用意しなければ、なかなか一歩を踏み出さない、あるいは踏み出しつづけられないように见受けられます。
次回は「More dig !」です。
