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第80回 「東広島 うまいもん」 天川 修平 (2013/11/18)

&苍产蝉辫; 东広岛市に越してきて数年が経った.広岛大学がある东広岛市西条の代表的特产物といえば日本酒だが,东広岛市は広い.知名度はいまひとつでも,特笔すべきうまさがいろいろと潜んでいるようだ.

&苍产蝉辫;まずは安芸津町の牡蠣.海辺にあるカキ小屋とやらに,前の冬に初めて食べに行った.実は,広岛と言えば宫岛,宫岛と言えば牡蠣というわけで,私も宫岛に行く机会があると牡蠣を食べていた.だけど露店の焼き牡蠣は値段は安いが牡蠣のグレードも値段なりで,味もそのまんまだ.というわけで,少々値は张るが,牡蠣専门店を名乗る店に入って牡蠣を食べてみたりしていた.ところが,最近はそうした店まで,竞合店との争いのせいか,値段とともに牡蠣のグレードが落ちてきていて,がっかりしていた.それだけに,カキ小屋で出てきた宫岛のを遥かに凌ぐ上物には感激だった(焼きも生も).これぞ,わざわざ広岛にまで来て食べるにふさわしい牡蠣!しかも値段は安芸津価格.もう宫岛に行ってもわざわざ牡蠣を食べる必要はないな,と思った.アクセスの悪さが泣き所で,全く観光客向きではないが….

 さて,新鮮な牡蠣は,土産物にできないのが難点と言えば難点だ.だが持ち運びもOKの隠れた名品がある.志和町で作っている醤油だ. 衝撃的な再会(出会いは店頭で特にどうということもなく)は,うちで刺身を食べたときだった.ん!この醤油うまい!!口の中にこんこんとわき上がってくる力強いうまみ.なんだこれは?原材料を見る限り,あっけないほど何も入っていないのだが….これこそが発酵食品醤油の神髄?底力なのか?そしてまた,この時初めて,普段は単に習慣で刺身を醤油に浸けているだけで,醤油そのものの味わいには何の期待してもいなかったことに気付かされたのだった.習慣化しているが故,そこに感動があってもいいと気付いていなかったという恐るべき事実….この一瓶数百円の小さな贅沢は,東広島に越してきて最大の発見だったかもしれない.

(2013/11/18)


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