TEL: 082-424-6762
E-mail: koho*office.hiroshima-u.ac.jp
(*は半角蔼に置き换えた上、送信してください)

2018年に起こった西日本豪雨灾害により、広岛県は甚大な被害を受けました。土砂灾害や床上浸水により、多くの方が命を失い、また今なお仮设住宅での仮住まいを余仪なくされている方もいます。この豪雨灾害をきっかけに発足した広岛大学ボランティア団体「アイリス」。现在も広岛県呉市安浦町を中心に各地で灾害支援活动を続けています。活动は県内にとどまらず、2019年12月には福岛県が募集する「大学生の力を活用した集落復兴支援事业」にも参加しました。
今回はアイリスのメンバーとして活动されている中西咲贵さん(教育学部初等教育教员养成コース4年生)、东条太则さん(総合科学部3年生)に、福岛県で新规復兴事业の活动を中心にお话を伺いました。
「大学生の力を活用した集落復兴支援事业」に参加したきっかけと活动内容を教えてください。
(中西さん)
きっかけはアイリス代表の勝部知早野(かつべ ちさの)さんです。勝部さんが、「もみじ」(広島大学学生向け情報ポータルサービス)で、この支援事業の募集案内を見つけ、アイリスの皆に教えてくれました。応募した理由は、2011年に起こった東日本大震災の現状と課題を知り、福島の地域の方々と本気で向き合いながら問題解決方法を模索したい、またこの経験を西日本豪雨災害支援において将来直面するであろう課題等に活かしたいと思ったからです。
(东条さん)
今年はこの事业に参加する1年目として、実态调査を目的に参加しました。调査は福岛県葛尾村で行いました。震灾后、福岛原発事故の影响で全村民が避难することになって村の环境はどう変わったのか、またそこを访れた自分たち大学生侧にも意识の変化はあったのか、ということを调査しました。
调査を通して感じたことは何ですか。
(东条さん)
推测で行动してはいけないなと思いました。例えば、一口に「復兴」を目指すといっても立场が违えば、何を「復兴」とするのかそのとらえ方が违います。村民の方なのか、村役场の方なのか、県庁の方なのか。そして私たち大学生の中にもそれぞれに「復兴」への想いが个々によって异なることを感じました。
「復兴」という言叶にいろいろな意味が含まれていたのですね。
(东条さん)
そうなんです。私たちが予想していたのは、人口が増えてほしい、若い人や子供たちに戻ってきてほしい、そういう「復兴」をイメージしていました。しかし闻き取り调査をすると、戻ってきてほしいという意见はもちろんありますが、人を呼び込むことから始めるのではなく、今ある自分たちの生活をより改善したい、まずは震灾前の暮らしに戻りたいと考える方もいました。ただ、これも私たちが话を闻いた中での意见であって、个人の立场によっても意见が异なると思います。そのようなことも考虑しながら、调査结果から得たものを活かして、2年目は実际に地域の活性化のために活动を行う予定です。

福岛県葛尾村での実态调査の様子(1)

福岛県葛尾村での実态调査の様子(2)
他にもこの活动を通して、感じたことがあれば教えてください。
(中西さん)
葛尾村は福岛原発事故の影响で避难を余仪なくされた地域です。もともと村民は1500人ほどいましたが、避难が解かれた今でも400人ぐらいしか戻っていません。しかし、葛尾村でのボランティア活动を通じて、この地域だからこそできること、人々のつながりで可能性が広がることを感じました。例えば、结婚式场が葛尾村にはないのですが、この活动期间中に、村の人たちで协力し合い、工夫しながら昔ながらの式を挙げました。
私は、「ボランティアの目的はニーズに応え、相手のために何かをすることだ」と考えて、葛尾村を访问しました。しかし実际に行ってみると、村の人たちから気づきや思いやりをもらうことのほうが多かったです。

福岛県葛尾村の皆さんとアイリスのメンバー
ボランティア団体「アイリス」の目指していることは何ですか?
(东条さん)
社会问题への意识を高めることです。西日本に灾害が起こった时も初めは多くの人が强い関心を示し、被灾地へ向かいました。しかし今では、アクションを起こす人は少なくなった、と感じます。支援が必要な现状を伝えることで、灾害の风化を防ぎ、関心を持ち続けてもらいたいです。

东条さん
アイリスの强み、弱みは?
(中西さん)
私たちの団体は11人しかいませんが、少数精鋭なんです。各々が灾害支援についてとても强い思いをもって活动しています。またメンバー间では学年関係なく、意见を言い合い、受け入れる関係性があります。だからボトムアップもトップダウンも临机応変に使い分けられるし、すぐに动ける、という良さがあります。ただ、灾害支援では実务の部分で多人数が必要になるときもあります。それだけに他団体とのつながりを大切にしており、いざというときに连携し迅速に対応できるようにしています。

中西さん
「つながり」について、详しく教えてください
(东条さん)
アイリスは「つながり」を大切にし、「つながり」で成り立っている団体だと思います。例えば、灾害意识を高めるために地域の人を巻き込んだイベントを开催しようとする。その时に、さまざまな方に协力していただき、集客の面でお手伝いしていただけたらとてもありがたいですよね。自分たちのつながりで人を结んで、できることを増やし、発展していくっていうのがアイリスなんじゃないかと思います。

アイリスの活动风景

イベント活动での展示
アイリスとして、これからどんな活动をしたいと考えていますか?
(东条さん)
西日本豪雨灾害からの復兴支援を轴に活动を行っているので、継続して西日本が復兴できるように活动したいですし、大学生にしかできないことをやっていきたいと思います。柔软にニーズに応え、つながりを大切にして、他団体との连携を図っていきたいですね。また、人数が少ないので団体としての基盘作りにも力を入れていきたいですし、先辈方からの引き継ぎもしっかりと行いたいです。
(中西さん)
私は现在4年生で卒业を控えているので、アイリスがどんな活动をするかは后辈たちに任せます。ただ、后辈メンバーには今后社会に出ていくためのコミュニケーション力をアイリスで高めてもらいたいと思っています。大学生は同世代の人との関係がほとんどですが、世代が违う人たちと积极的に関わり対人スキルをどんどん磨いてほしいですね。アイリス出身であることに夸りをもてるような団体であってほしいと思います。
取材を终えて一言

中西さんも东条さんも他団体との絆やボランティア活動中に知り合った人との縁を大切にお話される姿が印象的でした。また、多様な個性や特徴を持った1人1人が協力し、災害支援という1つの目的を果たすこのアイリスの姿はこれからの組織に求められるあり方を体現していると感じました。
「ええね広大!学生広報ディレクター」 山本千尋
広岛大学広报グループ