麻豆AV

敦煌学プロジェクト研究センター

センター基本データ

  • 整理番号:22-08
  • 设置期间:2011年02月18日~2025年03月31日
  • センター長(所属/職名/氏名):大学院人間社会科学研究科 / 教授 / 荒見 泰史
  • 連絡先(TEL/E-mail):082-424-3709 / arami[AT]hiroshima-u.ac.jp(※[AT]は半角@に置き換えてください)

プロジェクト概要

目的

現在、敦煌学の領域ではIDP(the International Dunhuang Project)、敦煌学国際聯絡委員会などを通じ、世界各地に拠点を置く敦煌学研究所が連携して研究をすすめている。広島大学には敦煌学に従事する研究者が数名いるが、現在までにそうした研究センターはなく、個人研究者の単位で活動を行っており、情報交流などにおいてはやや不利な状況にある。そこで、科学研究費補助金(基盤研究B22320069「敦煌文献に見られる唱導資料の総合的研究」)が採択されたのを機に、同研究遂行の便を考え、広島大学に研究の拠点の一つをつくることを思い立った。
 

背景

敦煌学研究を中心とする研究所、研究センターは、中国を中心として世界各地に設置されている。例えば言語文字を中心とする浙江大学敦煌学研究センター、唐五代の歴史研究を中心とする蘭州大学敦煌学研究所、中国西北史と地理を中心とする西北師範大学敦煌学研究所、仏教経典研究を中心とする上海師範大学敦煌吐魯番研究所、広くフランス所蔵文献を研究するEquipe de recherche sur les manuscrits de Dunhuang et materiaux connexesなど、それぞれ研究上の特徴を生かした運営がおこなわれている。本センターでは、申請者の研究を生かし、仏教儀礼およびそこから発展した唱導文学研究を特色とするこれまでにはない研究センターとしていきたい。
 

研究计画

本研究においては、日本、中国、台湾、韩国の研究者と意思疎通を図りつつ、共同で敦煌出土讲唱文学文献の调査を行い、共通の认识のもとに讲唱文学文献の资料修正を作成していく。その作业の中心となるのは以下の3点である。
1.敦煌の讲唱文学研究に関しては、中国浙江大学古籍研究所の张涌泉氏、四川师范学院王小盾氏、台湾南华大学郑阿财氏らが中国、台湾における中心的研究者であり、彼らとの継続的な意见交换のなかで共通认识を模索していく。相互の连络は电话や贰-尘补颈濒などの通信机器によるほか、必要に応じて相互に往来し、面会して意思疎通を図っていく。
2.敦煌文献は、近年になって写真资料が陆続と出版されているので写真资料による调査によりかなりの程度までの作业が可能である。さらに原巻写本の修復整理も进み多くの所蔵机関で閲覧が可能になりつつあるので、写真资料による作业を终えた后に所蔵机関での确认作业をおこなうことによって、より効率的で精密な作业を进めることができると考える。翻刻作业は①によって确定し、実际の翻刻作业は経験の豊富な浙江大学古籍研究所の协力によって质量ともに高い作业が可能となる。现地での原巻写本との校合作业は研究代表者、研究分担者や海外の研究协力者が行うものとする。
3.2によって集められた翻刻資料は研究代表者、研究分担者と海外の研究協力者によってとりまとめ、最終的には電子データとして公開できる状態にまで仕上げる。公開の方法は、中国国家図書館や大英図書館が中心となって全世界で進められるIDP(the International Dunhuang Project)の協力を得ることを予定している。

平成22年度计画
上海古籍出版社『敦煌トルファン文献集成』、中国国家図书馆出版社『敦煌遗书』などの敦煌写本写真资料や翻刻资料中、新たに刊行されたものや広岛大学が所蔵していないものについて収集する。电子化が可能なものは、电子资料としていく。初年度はとくに中国国家図书馆所蔵の资料を中心に作业をおこなう。中国国家図书馆では新たな変文が発见されていながら未调査の状态のものが数点ある。またここには未整理文献のなかに唱导と関连が深いと予想される文献も少なからずあるので、早い段阶で调査を行いたい。
収集した资料を用い、研究代表者、研究分担者によって説话、唱导関连とみられる资料を敦煌文献中から捜索し、暂定的な目録を作成していく。目録作业の进捗状况により海外の研究协力者らと连络をとり、协议を进めていく。一部の変文などすでに各国研究者间で讲唱文学作品として异论のない作品については翻刻作业の可能なものから作业を开始する。敦煌写本中の説话文献中には笔者の専门とする仏教文学関连文献のほかにも、道教関连文献もおおく発见されることが予想される。道教関连の説话文献については研究分担者の游佐が専门とする分野であり、游佐が当たるものとする。最终的な电算化作业に関しては、同作业において长年の経験がある浙江大学古籍研究所に要请する。
中国国家図书馆におもむき、翻刻の确认作业と同时に、新资料の调査をおこなう。写真资料では判読の困难なもの、写本の状况がつかみにくいものなどを中心として、敦煌文献の所蔵先におもむき、関连文献を閲覧または写真撮影し、作成する翻刻资料の精度を高める。
年度末に代表者、研究协力者で集まり、进捗状况を确认し合い、意思の疎通を図る。

平成23年度计画
平成22年度にひきつづき、上海古籍出版社『敦煌トルファン文献集成』、中国国家図书馆出版社『敦煌遗书』などの敦煌写本写真资料や翻刻资料中、新たに刊行されたものや広岛大学が所蔵していないものについては継続的に収集する。电子化が可能なものは、电子资料としていく。23年度も継続して中国国家図书馆所蔵の资料を中心に作业をおこなうほか、中国国内の敦煌、兰州、大连などに所蔵される文献についても重点的に调査を行う。
収集した资料を用い、研究代表者、研究分担者によって説话、唱导関连とみられる资料を敦煌文献中から捜索し、目録を补正していく。目録作业の进捗状况により海外の研究协力者らと连络をとり、协议を进めていく。すでに各国研究者间で讲唱文学作品として异论のない作品から顺に翻刻作业を进める。最终的な电算化作业に関しては、同作业において长年の経験がある浙江大学古籍研究所に要请する。
中国各地の写本所蔵机関におもむき、翻刻の确认作业と同时に、新资料の调査をおこなう。写真资料では判読の困难なもの、写本の状况がつかみにくいものなどを中心として、敦煌文献の所蔵先におもむき、関连文献を閲覧または写真撮影し、作成する翻刻资料の精度を高める。
年度末に研究代表者、分担者、研究协力者で集まり、进捗状况を确认し合い、意思の疎通を図る。

平成24年度计画
平成23年度にひきつづき、上海古籍出版社『敦煌トルファン文献集成』、中国国家図书馆出版社『敦煌遗书』などの敦煌写本写真资料や翻刻资料中、新たに刊行されたものや広岛大学が所蔵していないものについては継続的に収集する。电子化が可能なものは、电子资料としていく。24年度は大英図书馆、フランス国家図书馆など、ヨーロッパ所蔵の资料を中心に作业をおこなう。
収集した资料を用い、研究代表者、研究分担者によって説话、唱导関连とみられる资料を敦煌文献中から捜索し、目録を补正していく。目録作业の进捗状况により海外の研究协力者らと连络をとり、协议を进めていく。すでに各国研究者间で讲唱文学作品として异论のない作品から顺に翻刻作业を进める。最终的な电算化作业に関しては、同作业において长年の経験がある浙江大学古籍研究所に要请する。
大英図书馆、フランス国家図书馆などにおもむき、翻刻の确认作业と同时に、新资料の调査をおこなう。写真资料では判読の困难なもの、写本の状况がつかみにくいものなどを中心として、敦煌文献の所蔵先におもむき、関连文献を閲覧または写真撮影し、作成する翻刻资料の精度を高める。
年度末に代表者、研究协力者で集まり、进捗状况を确认し合い、意思の疎通を図る。


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