麻豆AV

第22回 「“内向世代”」 張 書秀  (2011/03/15)

旧大学院先端物质科学研究科 半导体集积科学専攻

第22回 「“内向世代”」   (2011/03/15)

張   書秀 (ZHANG, Shuxiu)(寄附講座:先端ディスプレイ科学 特任准教授)

&苍产蝉辫;若者が"内向世代"になったと最近话题になっており、なぜ今の若者が"内向世代"と言われるかといえば、海外に出たがらない若者が増加しているからだ。米国の国际教育研究所がまとめた2008~2009年の米国への留学者数は、日本が前年比14%减の2万9264人だったのに対し、中国は21%増の9万8510人、韩国は9%増の7万5065人だったようだ。このような数字だけで现在の若者は"内向世代"になったと断言していいのか私は疑问に思う。その理由として下记の3点を取り上げる。その一、日本の人口构成では若者の数は减少しているため、おのずと留学者数も减少するはずということ。その二、韩国を别にして中国と比べる场合、日本の米国への留学者数は総人口比で中国の3倍程度にあり、依然高い比率にあること。その叁、留学先としては米国のみならず、EUやアジアなど、选択肢が多様化しており、特にアジアへの留学者が急増していること。例として、中国への日本人留学生数は、1994年5,055名(日本人留学生全体の9.2%)から2006年18,363名(同24%)と増加している。现在、日本から中国への留学生総数は约13万人で、渡米する人より多いかもしれない。よって、若者が海外に出たがらないわけではなく、多岐にわたって好きなところを选択していると言える。

 また、あるネットアンケートによると、海外に行く必要はないと答えた人が19%であることに対し、お金がないことを理由とした人が59%にのぼり、海外に行く意欲がない人が多数であるとは言えない。日本より高い(生活费などの)费用を必要とする国は少ないはずなのに、なぜお金がないという理由を挙げる人がこんなに多いのだろうか。先入観を持ちチャレンジしたくない人はいるだろうが、根本には日本社会において海外に行くインセンティブまたは必要性が少なくなったということではないだろうか。先进国である日本は他国に学ぶべきことが少なくなり、生活が豊かになった今は昔に比べて更に豊かになろうとする気力が薄れてくるのも当然である。このような个人的な気持ちのみならず、国全体の体制もそれを助长し、奨励やサポート体制が弱いのではないかと考えられる。一つの例として挙げると、会社の採用は日本の大学より新卒の方がメインで、それ以外は特别扱いされるケースが多い。待遇面や昇进も年功序列またはそれに似たような考えをもつ会社はまだ多い。

 现在の若者はいままでにない环境で育てられ、いろいろな特徴があるのではと考えられる。その环境というのは、情报が必要となった时、他の人に闻かずともインターネットで调べれば分かることや、相手と会わなくても携帯で长时间でも会话できることなど、20年前では想像もできなかったことだ。このような环境により内向的倾向は强まるかもしれないが、"内向世代"とは考えられない。それでは、なぜいまマスコミが"内向世代"を取り上げるか、その理由の一つとしては若者のコミュニケーション能力が落ちたということかもしれない。それが正しければ、教育にコミュニケーションを重视した指导方法や新社会人に対するコミュニケーションを锻えるような仕组みが欠かせないだろう。従って、マスコミが取り上げたように海外に出たがらない若者が増加し"内向世代"になったことでなく、むしろ海外に向かう若者が増えている。特に公司のグローバル化に伴い海外へのチャンスが増えていることも事実であり、これから若者の海外出向の确率も更に上がるだろう。よって、现在日本の仕组みや流行りに缚らず、留学に踌躇しているまたは海外に兴味を持つ若者は一度チャレンジしてみてはどうか。海外の経験を通して自分の视野が広げられるなら、自分にとっても日本社会にとってもよいことだと思う。

(2011/03/15)


up