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第48回 「シミュレーションの勧め」 吉田 毅  (2012/01/23)

 シミュレーションといっても讲义や研究で用いる回路シミュレーションやデバイスシミュレーションについてではなく,议论や打合せ时に想定される质疑をあらかじめシミュレーションし(模拟実験し),必要なデータ等の準备しておきましょう,ということについて自戒を含めて述べます.
 研究室に配属されると,研究室の先辈や教员との研究についての议论が,これまでに比べて飞跃的に多くなると思います.その际にどういったスタンスで打合せや议论に临んでいるでしょうか?例えば,実験でうまく结果が出ず,先辈や教员に质问に行く场合を考えてみましょう.

 ?うまくいかないことだけを报告する
&苍产蝉辫;こちらは论外ですね.议论が始まりません.

 ?うまくいかない実験结果を示す
 普通はここから始まると思います.主な要因が明确で先辈や教员の知识や経験があればひょっとしたらこの时点で気がつく
&苍产蝉辫;可能性がありますが,そうでない场合は実験系の详细や他のパラメータの応答特性について,さらに质问が来ると容易に
&苍产蝉辫;想像できます.説明资料がない场合,问题点が曖昧なまま「次の机会へ」となりかねません.

 ?これまでの知识を基にした予测と実験结果の比较および现象を俯瞰的に见て复数のパラメータを用いた実験を行う
 パーフェクトです.本人が実験のうまくいっていない根拠をどの様に考えているか,(时间の制约のある中)どこまで现象を
&苍产蝉辫;追い込めているかが一目瞭然ですし,具体的な议论が期待できます.

 このように想定される质问をあらかじめ予想し,その质问に答えられるデータを用意しておくと,より详细で具体的な议论が期待できます.もちろん知识や経験は个人差がありますので,その时点の知识では根拠に间违いや见落としがあって,判断を间违えることがあるかもしれません.しかし,この时点で少なくともどの程度まで理解しているか(认识できているか)が明确になります.例えその时点で根拠が间违っていても,间违いを修正することで次の机会には正しい结果(正しい判断)を示すことができます.
 これまで学生の皆さんは试験で100点を取ることを目标に勉强してきたと思いますが,试験勉强はあくまで知识を习得するだけです.研究ではさらなる知识の积み上げと,これらの知识を使って事象についての判断を行い,さらにその判断に基づいて行动を起こす必要があります.特に研究内容を议论することはこれらのスキルを习得する手段として有効なので,ぜひ议论する前に自分で质疑応答のシミュレーションをしてみてください.议论をするには準备が8割,根拠が命です摆1闭.(と自分にも言い闻かせています.)

摆1闭武器としての决断思考(瀧本哲史着).(ディベートの作法の本ですが,考え方は一般的な议论でも成り立ちます.)

(2012/1/23)


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