麻豆AV

第66回 「適塾と松下村塾」 吉田 毅 (2012/10/20)

 最近の研究ではシステムから复雑な回路までを取り扱っており,なかなか一人で研究を推进することが困难になっています.このような场合,プロジェクトやチームごとに复数のメンバーで研究を行うわけですが,新人の人达が如何に早くキャッチアップするかが重要になってきます.新人だけでなくメンバーも含めてシステマティックに成长できるような”からくり”は无いものかと考えていますが,私の能力ではなかなか良い案は浮かびません.そこで先人の知恵を拝借しようと调べてみると,江戸末期に10代,20代の若者が集った绪方洪庵の”适塾”や吉田松阴の”松下村塾”などが大学の研究室には适しているように感じます.

 适塾は兰学塾で特に医学生が多かったのですが,福泽諭吉,大村益次郎等を辈出した有名な塾です.この塾の特徴は,塾生が自治活动のように切磋琢磨しながら勉强していたことにあり,先辈の塾生や塾头の指挥のもとに自力で学ぶことが塾の方针でした.いわば志のあるものが集まる実技教育の塾です.周りの仲间は敌ではなく,あくまでも自分自身との格闘で自分の能力を向上させることになります.寝食を共にして勉学に励むことで,やる気を醸成する効果が见込めますし,人间関係に惯れる効果もあるでしょう.

 一方,松下村塾も久坂玄瑞,高杉晋作等を辈出した有名な塾です.この塾の特徴は,それぞれの得意ジャンルを生かして先生持ち回り的な勉强会を実践することにあり,基本的に自分で学ぶ意欲を目覚めさせる?促进させるところにあります.いわば思想教育の塾です.教え合う学习は,一人では分からないことも仲间と一绪にやれば挫折しにくいものですし,教える侧になれば更に深く考えるようになります.また吉田松阴は自身も含めて塾生に飞耳长目(観察力や情报の収集力があり,见闻が広く物事に精通していること)であるべきだと説いています.これらの考えは现在でも色褪せることがありません.

 人の気质は千差万别です.必ずしも上记のシステムがぴったりハマるとは限りません.しかし縁あって20代前半のこの时期,この场所にいるのですから,まず先达と同じように研究室の仲间と顽张ってみるのはどうでしょうか?

参考文献:伟人たちのブレイクスルー勉强术 斋藤孝着 滨厂叠狈978-4-16-783806-5&苍产蝉辫;

(2012/10/20)


up