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第82回 「機内の暇つぶし」 花房 宏明 (2013/12/18)

   こんにちは。前回(第62回)から、一年半が過ぎ、平成25年も残すところあとわずか。皆さんは良い一年を過ごせましたでしょうか。
 今回は前回に似て、本と飞行机の话をします。こんな话ばっかりですが、私は本屋の営业担当でもありませんし、航空会社の影の広报担当でもありません。ただ、本が无いと落ち着かないし、飞行机に乗るのも嫌いじゃない。あしからず。

 一昨年の春に広岛大学に着任したが、その当时は単身赴任状态で、かつ初めての子供がお腹の中にいる状态だった。なので、毎月1回は飞行机に乗って会いに行っていた。东京と広岛を往復する飞行机の机内誌に“お弁当の时间“というページがある。月替わりでいろいろな人が取り上げられ、作ったり、作ってもらったりした「お弁当」を人物とともに绍介している。これがたまらなく面白い。”作ってもらう人の心”や“作る侧の人の心”が纸面からじんわりとにじみ出し、冷めているが、あのやさしいお弁当の味が広がる。

 登场人物の全身写真とお弁当の写真、それに取材记事がついて一回分なのだが、写真と文章が见事に融合している。パッと写真を见て、じっくり话を読み、再び写真を见る。绍介された人に亲しみが生まれ、お弁当と共に歩いてきた人生の一端が垣间见える。こんな风に人を梦中にする文章を(研究论文であればなおさら)常に书けるようになりたいものだ。

 このページがあまりにも楽しみで、「往路(広岛→东京)で読んでしまったら帰り(復路:东京→広岛)の楽しみがなくなる。だから往きは持参した本を読もう」とかトンチンカンなこともしていた。

 そんな事を繰り返しているうちに家族が増え、広岛に全员で帰ることになった。いつもは1人だった飞行机に初めて家族4人で乗り込こんだ。その日の“お弁当の时间”の内容は奇遇にも亲子の话だった。大人しく抱っこされているこの子达はどうなるかと思いふけっていたのも束の间に、ドシンと大自然の中の広岛空港に着陆。空の上の思考はすぐに终わる。

我々はどんな“お弁当”になるだろうか、楽しみだ。

书籍化されているお弁当の时间1?2(木楽舎)が手元にあるのは言うまでもない。

それでは少し早いですが、どうぞ良いお年をお迎えください。

(2013/12/18)


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