&苍产蝉辫;曜変天目茶碗という陶器があります。
世界に仅か3点しか存在せず、そのすべてが日本の国宝に指定されているという非常に希少かつ美しい茶碗なのですが、その最大の特徴は色にあります。
曜変天目茶碗は全体としては深い瑠璃色をしているのですが、光の当たり方、见る角度によってその色彩を変化させます。
これは颜料によるものではなく、光の干渉によって発生する色すなわち构造色であるということが判明しています。しかし、その製造方法は今もって谜とされており、再现に向けた研究が続けられています。
现时点で有力とされている説の一つが陶芸家の九代目长江惣吉氏が発表した、焼成の过程で蛍石を投入することでフッ素ガスを発生させ陶器表面のガラス膜を侵食するという方法です。
さて、当研究科に在籍している方ならここでピンとくるはずです。
この手法、半导体プロセスにおけるドライエッチングにそっくりではないでしょうか。
薄膜による光の干渉で表面に虹彩が生じるのも半导体チップと同様です。私がこの话を知ったのは深夜の罢痴番组でしたが、これに気付いたときには中々に兴奋しました。
我々が大学?大学院と学习してきた内容は决してその分野の中でのみ有用な知识ではなく、もっと広范囲に活用して我々の世界を広げてくれるものなのだと実感した一例でした。
奥颈办颈辫别诲颈补の『教养』の页には次のように记されています。
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一般に、独立した人间が持っているべきと考えられる一定レベルの様々な分野にわたる知识や常识と、古典文学や芸术など质の高い文化に対する幅広い造诣が、品位や人格および、物事に対する理解力や创造力に结びついている状态を指す。
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すなわち、知识はただの情报としてあるのみでは意味がなく、活用してこそ教养たるのだと。
曜変天目茶碗の例を教养と解するかは読者に任せますが、ある物事に対する理解に别の知识を活用するという构造は研究においても全く同一だと思います。
これから研究に临む学生诸氏は决して视野狭窄にならず色々な物事を见て、そしてこれまでに勉强した知识とリンクするところはないか考えてみてください。
その积み重ねが研究を円滑に进める键のひとつであると、私は考えます。
参考
『曜変天目茶碗』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%9C%E5%A4%89%E5%A4%A9%E7%9B%AE%E8%8C%B6%E7%A2%97
(2019/01/15)